塩分の取り過ぎはなぜ身体に悪いのか?
よく塩分の摂り過ぎは身体に悪いと言われていますが
具体的にどんな悪影響があるかご存じでしょうか?
実際塩分は私たちが生きていく上で欠かせない成分であり
また、生活する上でも食事から一切摂取しないというのはほとんど無理なことになります。
『でもよく世間では減塩減塩と言っているし・・・』
なんとなく減塩すれば健康なんでしょ?
程度には皆さん理解しているとは思いますが
実際本当のところはどうなんでしょう?
今回はそんななんとなくわかっているようでわかっていない
塩分を取り過ぎたときの悪影響についていろいろと書いていきたいと思います。
そもそも塩分(ナトリウム)の果たす役割ってなに?
塩分=ナトリウムは必須ミネラルの一つであり
私たちが生きていく上で欠かせない成分の一つだと言うことご存じでしょうか?
ではまずそもそも塩分の果たす役割や仕事はいったいなんなのでしょう?
僕も料理の時の味付け?くらいにしかパッと思い浮かぶことはなかったですがwww
実際は身体の中でいろいろな働きをしてくれています!
そんな私たちの身体にとって欠かせない
必須ミネラルである塩分(ナトリウム)の役割から
いろいろとご紹介していきたいと思います!
塩分(ナトリウム)の役割① 身体の塩分濃度を調整
一つ目の役割としては身体の塩分濃度を調整することになります!
塩分濃度を調整…と聞いても
『そりゃ塩なんだから…』とは思いますが
その塩分(ナトリウム)濃度の調整というのが
僕たちの身体にとっては非常に重要になってきます。
体内の塩分濃度は基本的に約0.85%に保たれており
この塩分濃度は体内のナトリウムとカリウムによって調整されています。
塩分濃度を調整している仕組みは?
細胞内のナトリウム濃度が高くなると細胞外液(体液)にそのナトリウムを放出し
代わりに細胞外液に含まれるカリウムを細胞に取り込むことでこの塩分濃度を調整しています。
そして細胞外液のナトリウム濃度が高くなると今度は骨に吸収され
また一定のナトリウム濃度に保たれるような仕組みになっています!
もちろんその逆もあり、体液のナトリウム濃度が低くなると骨からナトリウムが放出され
体液のナトリウム濃度が保たれるようになっています。
ナトリウム濃度を一定に保つことにより栄養を吸収するためにとても重要で
このバランスが崩れてしまうと栄養を体内に取り込めなくなってしまいます。
塩分(ナトリウム)の役割② 身体のph値のバランス調整
ph値(ペーハー値)とは皆さん小学校の理科の授業で勉強したかとは思いますが
あの酸性やらアルカリ性やらいうあれのことです!
よく某CMで『人間の肌は弱酸性!』
なんてことを言っていますが人間の体液も実はpH値が 7.35~7.45の弱酸性に保たれています。
食事で食べ物を摂取したり運動による代謝物によって酸性物質が生成されやすく
その酸性物質が体液に流れると弱酸性から酸性に傾いてしまいます。
そんなときにナトリウムが作用して中和し酸性に傾いた体液を
弱酸性に戻す働きをしています。
塩分(ナトリウム)の役割③ 筋肉の動きや神経の伝達を助ける!
僕たち誰しもそうですが身体を動かすときは
筋肉などへ脳からの電気信号によって行っていますが
実はこの電気信号というのはナトリウムとカリウムによって行われています。
細胞内にあるカリウムと細胞外の体液にあるナトリウムが入れ替わることによって電気を発生し筋肉が収縮します。
そして弛緩するときはこれと逆の動きをすることによって身体各部の筋肉を弛緩させているのです。
1日あたりの塩分摂取量 上限値と現実の摂取量は?
必須ミネラルだけあってとても重要な働きをしている最も身近な調味料『塩』ですが
1日あたりの摂取上限と実際に摂取している量はどれくらいなのでしょう?
まず1日あたりの食塩摂取上限は
成人男性:8g未満
成人女性:7g未満
(日本人の食事摂取基準2015年版 食塩摂取量の目標量 参照)
とされていますが、実際の食塩摂取量は
成人男性で10.8g
成人女性で9.2g
といずれも摂取上限値をオーバーしているのが現状です。
この現状では減塩商品が増えるのも仕方ないことですし
元々味噌や醤油など塩分を摂取しやすい日本人にとっては塩分の摂取量を減らすのはなかなか難しいのかもしれません。
ただし、徐々にではありますが食塩の摂取量も減少傾向にあるので
減塩商品が増えてきているのと合わせて
少しずつ塩分の摂取に対する意識が変わって来ているのかもしれません。
塩分の摂り過ぎによる悪影響は?
では実際摂取上限をオーバーしているからといってなにが悪いのでしょう?
夏場などは逆に
『塩を摂った方が良い!』
なんて言われてたりもするので
摂り過ぎてもそんなに悪くないんじゃないの?と思うかもしれません。
しかし、やはり摂取上限が決められているくらいですので
摂り過ぎることによる悪影響もいろいろとでてくるので注意しましょう!
では具体的にどういった症状が出てくるのでしょう?
塩分の摂り過ぎによる悪影響① むくみ
塩分を過剰に摂取してしまうと身体の塩分濃度が上がるため
その塩分濃度を調整しようとします。
すると脳は『水分を摂取しろ!!』と言う指令を出すため
のどが渇いて水分を多量に摂取してしまい身体が水分をため込みやすい状況になってしまいます。
そして溜め込んだ水分が細胞からあふれ出すと
細胞の周囲に溜まってしまいこれがむくみの原因となってしまうのです。
塩分の摂り過ぎによる悪影響② 高血圧症
身体の水分量が増えることで
血液の水分量も増加し、結果として血圧が高くなってしまう原因になります。
つまり、塩分を常に摂り過ぎた状況が続いてしまうと
高血圧の状況が続いてしまい血管に負担をかけている時間が長くなるため
血管が痛みやすく脳梗塞や心筋梗塞などの疾患にかかりやすくなってしまうのです。
塩分の摂り過ぎによる悪影響③ 不整脈
ナトリウムの役割で筋肉を動かすための神経伝達を行っていると書きましたが
大事な臓器である心臓も筋肉でできているため
塩分の過剰摂取が続いてしまうとこの神経伝達に異常をきたし
心臓の鼓動が不規則になってしまうため不整脈の原因になってしまいます。
この症状が進んでしまうと心臓の筋肉への血流も悪くなり
酸素不足や栄養不足による虚血性心疾患にもなってしまいます。
塩分の摂り過ぎによる悪影響④ 腎疾患
塩分を摂取しすぎてしまうと、体内の塩分濃度を調整するために水分を多く摂取してしまいますが
今度はその塩分を身体から排出しようとして腎臓に負担がかかる状況になってしまいます。
慢性的に負担がかかる状況が続いてしまうと
腎臓の働きも弱くなり腎臓疾患の原因にもなってしまいます。
ひどくなると腎不全に陥り
人工透析を一生受け続けなければならない状態になってしまいます。
塩分の摂り過ぎによる悪影響⑤ 胃がんリスクの増大
胃の中での塩分濃度が高まってしまうと
粘膜が傷み胃炎が発生しやすくなってしまいます。
そうなると発がん性物質の影響を受けやすくなるので
自然と胃がんになるリスクも高くなってしまうと考えられています。
減塩するための方法
『減塩とはいうけど具体的にはどうしたらいいの?』
『薄味にすればいいだけ?』
と思うかもしれませんが、実際塩気というのは料理に欠かせない部分ですし
おいしく食事ができないというのはとてもストレスになることなので
あまり厳しく制限するしなくても良いと思います。
摂取上限と現実の摂取量を比較すると男女とも約2gなので
この2gを減らすためにちょっと工夫することが大事になってくるでしょう。
減塩方法① 減塩商品を使う
『当たり前だろ!!』
と言われるかもしれませんが、もっとも簡単で身近な改善方法として
減塩の醤油や減塩味噌を使うことで自然と減塩は可能になります。
そして減塩味噌とは通常の味噌と比べて『ナトリウム含有量が50%以下』であり
『ナトリウム含有量以外の成分は通常の味噌と同等程度』のものであり
『低塩』・『塩分控えめ』などの表記は特に規定がないため
注意が必要になります。
味噌汁1杯あたりの塩分量は1.5~2.2g程度になるため
1日3杯×1.5(g)=4.5gだった塩分量が
この味噌汁に使用している味噌を減塩味噌に変えるだけで
2.25gと2g以上も減らすことが可能になります。
味気なく感じてしまう方もいらっしゃる方もいるかもしれませんが
その場合は出汁を入れるなどして工夫してみましょう!
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減塩方法② 辛み成分の活用
2番目として辛み成分の活用になります。
辛いのが苦手な方もいらっしゃると思うので
絶対この方法をしてくださいというわけではありませんが
塩を使う量を少し減らすかわりに
こしょうや唐辛子、わさびやからしなどに置き換えることで
塩分を減らしたことによる物足りなさを紛らわせることができます。
減塩方法③ スープは飲み干さない
もはや国民食となったラーメン
もちろんスープは最後まで飲みきってしまいたいですよね?
ですがそのスープにはやはり塩分がかなり含まれているのです。
ラーメンはスープの種類も様々なので一概には言えないですが
1杯あたり約6g~13gも塩分が含まれているため
スープを飲み干して他にも2食食べてしまうと
ほぼ1日の塩分摂取量をオーバーしてしまうことになります。
高血圧になり減塩生活になってしまうと
1日の塩分摂取上限は6g程度になってしまうため
大好きだったラーメンを食べることができなくなってしまいます。
そうならないためにも日頃から注意しておきたいですね!
まとめ
塩分は過剰に摂取し続けてしまうことで様々な悪影響がでてきてしまいます。
しかし、必須ミネラルの為摂取しなさすぎても体調に悪影響が出てしまうので
過剰に塩分カットを行うということはできませんが
日頃の食生活をする上で少し工夫することで
意外と簡単に塩分の摂取量を抑える事は可能です。
減塩味噌に変えたりラーメンのスープを飲み干さない事などは
誰でもすぐにできることですので
ぜひ明日からでも意識して減塩していただければと思います。
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